不登校でひきこもっていた私が、英語に目覚めてICUへ(国際基督教大学 文系男子)


不登校だった私

私がこのヨハネ研究の森コースに入学したのは、中学3年生の頃でした。 ヨハネ入学以前の自分は、私立の進学校に入学したものの、入学直後の6月から不登校になってしまい、 学校の授業について行けるような状態ではありませんでした。 当時、学校のカリキュラムから自分がどんどん遅れをとっていくことに気づきながらも、 家に籠もって現実から逃避していた毎日を、私は今でも思い出すことができます。

そんな私の姿に危機感を抱いた母が紹介してくれたのが、このヨハネ研究の森コースです。 私の成長は、ここから大きくスタートしていったと思います。



ヨハネで出会った「第二言語としての英語」

このヨハネ研究の森コースで、私の身に起きた成長を語るためには、「英語」の存在がとても大きいのではないでしょうか。 私は、ヨハネ研究の森の在学期間中に、徹底して英語の勉強を続け、その中で、英語学習をする目的や方法、 そして「英語」に対する考え方そのものまで変化していきました。 何より私にとって大きかったことは、「学ぶ」ということに自らが意味を見出し、楽しむことができるようになったことです。

ヨハネ入学当初の自分は、大学受験で最も必要となるであろう教科として、英語の学習に義務感を感じながら取り組んでいました。 この「教科学習としての英語」では、英文法の学習が主流であり、英文の構成を分解して日本語に訳せるか、 日本語での表現を正しい文法上のルールに基づいて英語に置き換えられるかが問われています。 これは、いわば英語に関する「知識」を学習するものです。 私は、この英語学習を続けていけば英語ができるようになると、盲目的に信じ込んでいました。

しかしそんな時、先生からの誘いで試してみた英会話の実践で、衝撃的な事実を目の当たりにします。 それは、私が日本語を使っている状態と同じようには、英語を駆使できない、ということです。

教科としての英語学習では、英語を日本語に、または日本語を英語に正確に訳すことが求められています。 しかし、「英語を英語のまま理解する」こと、例えば、英語の原文の内容を、英語の表現のまま理解していくことや、 自分が考えていることを英語のまま表現できるか、といったことについては、この教科学習の方法では学べません。 これでは、英語で情報をインプットする時も、それを英語でアウトプットする時も、 私は常に日本語を介している状態になってしまっています。

私は、このことに気づいた時から、「英語をネイティブのように使えるようになりたい」と思い、 「第二言語としての英語」の学習をしていきたいと強く考えるようになりました。



「教科学習としての英語」から「第二言語としての英語」へ

そして、私が始めたのが、アメリカの学校で使われている教科書を読み、その内容を英語で要約していく、という学習です。 今でも明確に覚えていますが、小学校1年の教科書の最初のテーマが、"What is a family?" でした。 その文章では、Family is a group of people who care about each other. といった形で、"family"とは何か、 という説明が続いていきます。

この一文は、非常に簡単な文であり、容易に訳すことができるのは確かです。 しかし、「家族」というテーマに対して、「それは人々の集まりであり、互いに関係し合っているものだ」 と英語で説明されていることの凄さに、私は魅力を感じました。 それ以来、書かれている内容を英語で理解するということ、そして考えている内容を英語で表現することの 難しさと凄さを実感しながら、私もそのように英語を使いたいと思い、今も英語を学び続けています。

この「教科学習としての英語」から、「第二言語としての英語」へ、という英語学習の目的と方法の変化は、 私がヨハネで経験した学びの一つだと思っています。英語で書かれている原文を、英語での表現を通して理解していく、 という学びを継続し、私は今、洋書や英語で書かれた記事を理解できるようになりました。



今後の進路について

グローバル化する現代社会に英語の習得は欠かせない、と言われる中、私はヨハネ研究の森コースで、 「第二言語としての英語」学習に楽しみを感じながら励んできました。 そして、大学受験では、英語教育に力を入れている国際基督教大学から合格を頂くことができました。

大学では、日本語は勿論、英語でも開講される授業を通して、政治学や経済学、国際関係学などの様々な専門的分野の 勉強をしていきます。 今後は、日英の二言語を通して、専門分野の領域に関する本を読み、講義を聴き、理解を創っていきたいと思います。

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