ヨハネ研究の森、校外学習が開催されました

 2004年5月29日(土)、ヨハネ研究の森コースの校外学習が行われました。 場所は恒例になっている国立歴史民族博物館。この博物館は千葉県佐倉市にあり、 1981年に国立の大学共同利用機関として設置された新しい形の研究機関で、歴史 学・考古学・民俗学の三分野、さらには三者の協業を通じて、わが国の歴史・文 化を総合的に究明する目的のもとに、それらの学問に関する資料を収集・保管し、 展示しています。(パンフレットより引用)

 ヨハネ研究の森コースでは、校外学習の場として毎年利用し、今回が4度目の訪問 となりました。
 今年度の共同研究のテーマになっている「ジョン万次郎」、この研究を進める上 で、幕末から明治初期の時代背景を知ることはヨハネ生にとってはとても重要な ことと位置づけられ、当博物館の第5展示室にある「文明開化」のコーナーには、 たくさんのヨハネ生が見受けられました。
 この日は、「アウトローの幕末維新史」と銘打って、当時の貴重な資料を公開し ている特別コーナーも解説されていて、午後からヨハネ生全員で訪れました。 「民衆文化とつくられたヒーローたち」というサブタイトルのついたこのコーナー は、歴史を多面的に捉えようとするヨハネ生のアプローチ法に多くの示唆を与え てくれたようです。
 このコーナーの企画意図について、関連書籍から引用した文をもとにご紹介しま しょう。
「ごあいさつ」より引用--------
 長きにわたり歴史といえば、正史が当たり前と何の疑問もなく受け入れてきまし た。しかし、かつて江戸時代には稗史として親しまれた、民衆の間に広く浸透し た民間の歴史が存在しました。多くは博徒・侠客などアウトローがヒーローとな って活躍する虚実皮膜の世界のものでした。あるものは読本につづられ、あるも のは講釈で語られ、あるものは芝居に取り上げられ、民衆の喝采を浴びました。 近代のアカデミズムは、これらを信頼性の乏しい虚妄として斥け、文学資料のみ を歴史資料とする正史の立場を一貫して堅持しつづけています。このため、虚実 皮膜の世界に生きたアウトローは排除され、民衆文化の歴史を伝えた稗史は否定 され、専ら大衆小説、講談、浪曲、芝居、映画などの独壇場となって、本来共有 すべき歴史学と文学の間に越えがたい乖離を生み出したのです。果たして、稗史 に歴史の真実は皆無なのでしょうか。
 本展示では、かつてあった稗史に厳しい歴史学の手法を駆使し、語り直し、これ をよみがえらせることを願っています。特にアウトローの幕末維新史に着目し、 歴史学をはじめ、関連諸科学に学びつつ、多角的に取り扱うことにしました。





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