卒業生の声
 
 
 
武田光隆(新)早川太基(仙人)|福島陽子|鈴木珠生武田光隆(旧)APU生


福島陽子
  ヨハネ研究の森コース第6期生
  2010年3月卒業
  福島陽子さん
  上智大学外国語学部英語学科1年生
  (2010年7月現在)





帰国子女の私にとってヨハネ研究の森とは
 上智大学外国語学部英語学科一年生の福島陽子です。私は、2006年の9月に中学3年生(第6期生)として入学しました。中学3年生と高校の3年間をヨハネ研究の森で過ごしました。
 私は、6歳から15歳までの9年間をアメリカ合衆国のヒューストンで過ごしました。インターナショナルスクールに通っていたので、日本に戻ってきたとき、日本語に戸惑っていました。私は日本人なのか、アメリカ人なのか、自分とはいったい何なのかと悩みました。

母国語を徹底して訓練することで英語の力も伸びた!
 ヨハネ研究の森に入学して、ひらがな、カタカナから日本語の勉強をもう一度始めました。最初は、みんなが話していることが分からず、よく分かっている振りをして中途半端に話を聞いて行動し、てんでのことをして周囲を困らせていました。
 寮生活で他の人とコミュニケーションをすることを通して、日本語を使って自分の考えをまとめたり、整理したり、理解したり、自分で自分に日本語で話しかけたりということをするようになり、少しずつ日本語が体に身に付いていきました。
 ヨハネ研究の森では、「今日の学習」という用紙にその日に自分が学んだことを自分のことばでまとめるということをします。毎日、「今日の学習」を書くことで、徐々に書き言葉を使えるようになっていきました。
 ヨハネ研究の森で過ごす4年間の間、私は、あえて英語を封印していました。英語を特別に勉強するということはしていなかったのですが、高校3年生になったとき、自分の英語の力が以前よりもずっと伸びていることに気づきました。日本語での書き言葉のトレーニングを通して、深く思考することができるようになったからなのか、英語による表現力も伸びていたのです。

大学に行って発揮されるヨハネの学び
 今、私は、上智大学で「アメリカ研究」について学んでいます。アメリカ研究がどのようになされてきたのかということについての授業なのですが、アメリカのバークレイの大学院生が読む論文を徹底的に読み、要約し、自分の疑問を二つ以上考え、授業の場でみんなと話し合って、レポートを書くということをしています。ヨハネ研究の森で培ってきたものを生かすことができています。ヨハネ研究の森での学びに感謝しています。

言葉を通して自分を知ること、これがヨハネの真髄
 この夏お手伝いさせていただいたサマースクールでは、岡田英弘先生の「歴史とはなにか」というテーマを扱いましたが、これは、私が今上智大学での学びと重なるものが多く、私にとってもとても参考になりました。
 私は、2年生から「アメリカ研究」を専攻していこうと思っています。授業だけでなく、もっといろいろな論文を自分で読むこと。本場のバークレイ大学への留学もしてみたいと思っています。
 ヨハネ研究の森で、日本語を徹底して学び直す、自分の言葉として身につけ直すということ。自分とは一体なんなのかということをとらえ直すということをしなければ、今の私はありません。私はヨハネ研究の森に入学させてくれた両親に感謝しています。帰国子女の言葉の面でのアイデンティティ・クライシスに立ち向かうことができる強さをヨハネ研究の森で学ぶことができました。
 ヨハネ研究の森は、私の原点であり、原動力となっています。今回、サマースクールに参加させていただいて、あらためて実感することができました。ありがとうございました。