日経新聞夕刊「夕&Eye」に掲載されました

ヨハネ研究の森コースが、日経新聞2007/11/2の夕刊に掲載されました。記事を紹介します。

学習指導要領の枠に縛られず、独自にカリキュラム編成した授業が注目を集めている。自習を柱にする ユニークな取り組みは自主性を磨き、絵画や音楽など芸術を重視する手法は「知識偏重」との批判が 強い現状に一石を投じる。国の研究開発学校の指定や教育特区の活用で実現した制度だが、「画一的」 と批判されがちな日本の教育に風穴を開ける効果もありそうだ。


指導要領離れ「新しい授業」

 黒板のない教室にクラッシック音楽が響く。黙々と教材やパソコンに向かう子どもたち。周囲を囲む3、4人の教師が、質問を持ってやって来る教え子と時々言葉を交わす以外、静寂が広い室内を包む。
 暁星国際学園の「ヨハネ研究の森コース」。全寮制で小学4年から高校3年までの百人あまりが在籍する同コースは、「教師が授業をしない」のが最大の特徴だ。
 授業は原則、自学自習。学年によるクラス分けもなく、小学生から高校生までの世代が同じ場所で机に向かう仕組みだ。
 学習計画は一人ひとりが好きなように立てる。学期のほとんどを英語に充てる子もいれば、数学ばかり勉強する子もいる。集団討論や、毎年違うテーマで研究するゼミもある。
 坂井田祥平君(14)は「わからなるところは自分でどんどん先に進めるし、わからなければ、理解できるまで立ち止まって学べる。最近はクワガタについて突っ込んで研究した」と笑う。
 もちろん、完全に放任するわけではない。児童生徒は学んだ内容を毎日記録し、教師が大幅な偏りがないかなどをチェック。ときには「こんな分野も学んでみては−−」と助言する。
 文部科学省の「研究開発学校」に指定された同校は、カリキュラム研究を目的とした独自の教育課程の編成が認められている。鈴木久仁也教諭は「多くの学校で教えている内容が抜け落ちる可能性もあるがここでは「学び方を学ぶ」のが最優先される。とことん考える力を身につけてほしい」と期待する。