東日本復興ボランティア 〜南三陸町を訪ねて〜
2011年5月13日(金)
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中間休暇あけの5月13日〜5月15日に、有志のヨハネ生たちが宮城県・南三陸町でのボランティア活動に参加しました。


震災とボランティア活動

東日本大震災の発生から、3ヶ月が過ぎました。


5月のゴールデンウイークには、東北地方でのボランティア活動に大勢の人が参加したことがニュースでも話題になりました。 一方で、飛び入り参加が断られる、ボランティア希望者の車で渋滞が起きる、といったように現地との調整不足による問題も起きていたようです。

そんな中、宮城県・南三陸町のボランティアセンターやNPOと連携し、 団体バスでのボランティア志願者を公募しておられたのが、ヨハネ生保護者の塩澤さんです。

今回、このチームにヨハネ生も加えて頂き、ともに活動できることになりました。



「自己完結」とはなにか

ニュース等でも取り上げられているように、被災地は今もなお安全な状況でなく、 ボランティア参加者からケガ人や病人も多く出ているのが現状です。 また、現在でも断水が続いており、水や食料も行き渡っていない環境にあります。

それでもなおボランティアに行こうとするなら、出発から帰着までに必要なものすべてを自分自身でまかなう 「自己完結」型で参加しなくてはなりません。

ヨハネ生は、ミーティングを繰り返しながら、被災地がどのような状況なのか、 現地で必要な物資が何なのかといったことを確認していきました。 また現地では、自分がいま何をすべきなのかを常に自身で判断しながら行動しなくてはなりません。 こうした心構えも、準備の中で固まっていきました。

なお、保護者の方々からも、テントや飲料水・食品、コンロ、ランタンなどの物資をご提供頂きました。 温かなご支援に、この場を借りてお礼申し上げます。


宮城県・南三陸町へ

出発日、夜の9時に東京を出発したバスは、明け方になって南三陸町へと到着しました。 そこに広がっていた光景は、映像や写真を通して見てきたような、一面のがれきの山でした。

しかし、ワクで切り取られる映像や写真とは違い、バスがいくら進んでも、がれきの山はどこまでも続いていきます。 同じバスに乗り合わせたある男性は、この風景をカメラで撮影したものの、すぐにデータを消してしまったといいます。 目の前の風景を写真にしても、実感の伴わないものにしかならないと感じたからだそうです。

ボランティアセンターに到着した後、私たちは現地との調整をお願いしていたNPO「神戸国際ハーモニーアイズ協会」の 方たちのテントへご挨拶にうかがいました。 こちらのNPOは、震災発生直後から南三陸町での支援を行っているグループです。 今回の活動中にも、私たちが参加する作業内容の調整に尽力してくださいました。


いざ、ボランティア活動へ

塩澤さんを始めとするチームリーダーの皆さんと、現地の方々との間で調整が行われ、 私たちはいろいろな活動に参加できることになりました。

あるグループは、全国から寄せられた救援品の衣類を仕分けし、避難所の中庭でフリーマーケットのような形で配布をする手伝いをしました。 大量の衣類があっても今の季節に必要なものは不足しており、衣料品の支援の難しさを感じさせられました。

また、体力に自信のある人たちは、人手が不足して管理が行き届かないキャンプ場や、仮設住宅建設予定地の草刈りを行いました。 仮設住宅の予定地での草刈りは特に重労働だったようで、刈った草や荷物を載せたトラックが、道を頻繁に往復していました。

物資の積みおろしに参加したグループもありました。避難所には、自衛隊が水や食品を毎日運んでいます。 この日は、トラック3台分の飲料水を荷下ろしし、各集落の軽トラックに積み替えました。 現在でも、どんな物資が届くかは、トラックが到着してはじめて分かるそうです。

そして、現地の海岸はどこもがれきが流れ着いて荒れています。 今回は、大量の建材などが積み上がった海岸の清掃も手伝いました。 作業中には津波で流された写真や会社印なども見つかり、これらはNPOを通して持ち主を探してもらえることになったそうです。

このような2日間にわたる活動を無事に終え、ヨハネ生は帰路につきました。 帰りのバスでは「これからもボランティアに参加したい」という声が聞かれ、それぞれが今後も考えていくべきテーマを得ていたようでした。


私たちに何ができるか

被災地の復旧には、まだ大量の人手が必要です。しかし、現地の方たちは日常生活を取り戻そうと苦慮しながら、 同時に復旧作業を進めています。そのような状況の中で、本当に必要とされていることは一体何なのでしょうか。

今回は、塩澤さんやNPOの方たちが積極的に現地との話し合いを進めて下さったため、 信頼を得て多くの作業を任せて頂けました。これからも、ボランティアに参加しようとするヨハネ生が 多く名乗り出てくるはずです。そのとき、自分が何をするために現地に向かうのか、そこで何が求められているのか、 1人1人がしっかりと考えていく必要があるのではないでしょうか。


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