セッション「『憲法と君たち』をどう読むか」
ヨハネ研究の森では、今年度、人類史のなかの
「ことばと法」について検討を進めています。
特に、歴史の中で「憲法」の誕生してきた経緯や、
日本国憲法の制定過程などの研究を通して、
「憲法」の本質とは何か、全員で考察を深めてきました。
そして今回、セッションのテーマとして
取り上げられた書物が、佐藤功先生による著作
『憲法と君たち』(復刻新装版、時事通信社)です。
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この本は、戦後の1955年、憲法学者である
佐藤功先生が、子どもたちに向けて
「憲法とは何か」を語りかけた書物です。
たとえ話などを交えながら
やわらかな口調で語られる文章は、
誰にでも「人間にとって法とは何か」という
問題を考えさせてくれます。
今回は、グループに分かれて本の各章を要約し、
プレゼンテーション形式で発表することになりました。
さらに、これまでの検討を踏まえながら、一人一人が
自分自身の解釈や意見を述べていきます。
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ヨハネ生たちの言葉は、彼らがこの本を読み
何を考え、何を語り合ったのかをよく表しています。
「自由や平等と共に、責任の大切さが語られている。
一人の人間として考え、行動できる自由がある一方で、
ひとつの目的をもって動く共同体の中では、
人間は役割を担って活動していく必要があるはずだ。
そこに責任のある行動の本質があるのではないか。」
「国力を上げることを目的にするのではなく、
国民を幸せにすることを目的とした点が、
明治憲法と日本国憲法の大きな違いではないのか。」
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「多数が支配することと、正しい判断が違うことは、
民主主義の宿命だとも言えるが、それを乗り越えるため
私たち一人一人が主権を用いて生きていかねばならない」
「私たちには権利があるが、それを維持するために努力し、
一人一人の幸福を守るために用いねばならない。
自由とは、自分たちが生きている場所がよりよい場所になるには
どうすればいいのか考える、という意味でのものではないか」
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「私たちには、当たり前の人生についてモデルを考え、
それに乗れば大丈夫という思い込みがあるように思う。
そして、自分の問題でなければ、主権や自由の問題について
関心を払わない姿勢があるのではないか。」
また、ヨハネ生たちが執筆した憲法草案が配布されたり、
憲法にまつわる社会問題についての自主研究の成果が
報告されたりと、充実した発表となりました。
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このセッションを通して、ヨハネ生たちは、
「憲法」というものが遠い存在ではなく、
身近に存在し、私たちの人生や社会のあり方に
強い影響を与えていることを実感したようです。
これからも、皆で共に学びを深めていきたいと
改めて感じたセッションでした。