保護者会②研究発表
今回の保護者会では、先日行われた国際津波防災学会の報告と、ヨハネで年間統一テーマである「ことばを身につける」をめぐる研究発表が行われました。具体的には、学会発表グループ、桃太郎グループ、英語・日本語による大谷翔平・レジェンド研究グループに分かれて発表を行いました。
ヨハネ研究の森では、日々のSessionを通して、年間を通して一つのテーマについて対話を重ねつつ、検討を深めています。私たちの研究は、年度が変わり、中心的に扱うテーマが変わったとしても連綿と続いていきます。過去のテーマと繋がり、呼応しながら、年輪を重ねるように理解が広がっていくのです。
中でも私たちは、2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに、人類の歩みと営みを見つめる人類史研究や、ヨハネで長きに渡って検討されてきたウェゲナー研究と結びつくようにして、2011年度に始動した「文明と天災」研究を10年以上に渡って受け継ぎながら展開させてきました。現在では、地球史的な新たな展開ともいえる昨今の気候変動についての「作業仮説」を立て研究活動も進めております。
現在ヨハネ研究の森では、本当の意味で「ことばを使う」とはどういうことなのかに迫っています。
私たちはSessionを通し、「ことば」を単なるコミュニケーションのツールとしてではなく、思考を創り出す知性の根本として捉えてきました。「りんご」という言葉は、実物の「りんご」とは似ても似つかないただの音やインクのシミに過ぎません。しかしながら、私たちは「りんご」と聞けば「りんご」を思い浮かべてしまいます。それが「ことばを使う」ことと関わっているのではないでしょうか。
今ここに無いものをことばを通して「想像する」という知性の営みは、ことば獲得の過程で身につけていくものです。子どもにとってそのような新たなことばとの出会いとは、「桃太郎」のような言い伝えの物語の語り聞かせ、すなわち「伝説/lengend」を通してです。また現代においては、伝説上の人物だけでなく、大谷翔平選手のような実在の人物までも、「レジェンド」と呼ばれるようになっています。
では「伝説」はいかにして生まれ、どのように語り継がれていくのでしょうか。どのような人物が、「legend」たるのでしょうか。私たちのレジェンド研究はまだ始まったばかりですが、誰しもが知っている桃太郎や大谷翔平さんを通して研究を進めてまいります。
ヨハネ研究の森の学びの根幹であるSessionを基盤として、ヨハネの全員で研究を行うことは、生み出す困難以上の喜びと、共同体の活性化、そしてそれぞれの「未来への大きな希望」を感じさせてくれます。

