ヨハネ通信

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木更津ユネスコ大賞③:「文明と天災」プロジェクトのご紹介

今回は、受賞の対象となった「文明と天災」の研究推進プロジェクトの概要紹介をいたします。さらに詳細をご存じになりたい方は、是非、ヨハネ研究の森コースにお越しください。

「すべての学びは、哲学に向かう」

ヨハネ研究の森が掲げるこの理念のもと、私たちは人類史という壮大な視座から現在のあり方を問い直す試みを続けてきました。ゴーギャンが遺した根源的問い、「我々はどこから来たのか、我々は何者か、そしてどこへ行くのか」。この真理を追究する最中であった2011年3月11日、私たちが生きる文明社会は、東日本大震災という未曾有の激甚災害に直面しました。

文明社会の構造的脆弱性と「当事者意識」

2011年3月11日に発災した東日本大震災は、遠く離れた場所の出来事ではありませんでした。電気や水道が途絶し、「当たり前」の生活が根底から覆る様を目の当たりにし、私たちは文明社会の構造的な脆さを痛感しました。農業革命以来、定住生活と高度な分業によって発展してきた文明は、自然現象を「災害」へと変貌させ、その共生を強く迫るものです。

私たちは、この未曾有の事態をどこか遠い出来事とするのではなく、「当事者意識」を持って明らかにするべく、多角的な研究を開始しました。地震や津波、液状化のメカニズムからエネルギー問題に至るまで、専門家の知見を仰ぎ、実際に被災地へ足を運び、徹底的な調査を重ねました。その過程で見出したのは、平時の防災意識の希薄さという根本課題です。災害のリスクは誰の上にも等しく降りかかるにもかかわらず、私たちはその現実から目を逸らしてはいないでしょうか。

「実践的知性」の開花

危機に直面した際、自らの頭で考え、命を守り抜くために必要なもの。それは、過去の叡智に学び、今この場で行動に移す「実践的知性」に他なりません。私たちは、安政の大地震の際に「稲むらの火」で村人の命を救った濱口梧陵や、関東大震災後に東京の復興を牽引した後藤新平らの生き方をモデルに、自分たちの在り方を問い直してきました。

実際に学園の井戸を掘るなど、自分たちの当たり前の日常を問い直すという試行錯誤を繰り返しました。その後、世界中を襲ったコロナの危機の中で出来ることを模索し、私たちは「防災教育すごろく」や「災害通知システム」の構築といった形でのアウトプットを導き出しました。これらは単なる成果物ではなく、有事に立ち向かうための「実践的知性」の鞠育そのものであったと自負しています。

未来へつなぐ「3D精神」

私たちが掲げる「3D精神〜できることを、できる人が、できるだけ行う」。2011年5月より、企業経営者の皆様と共に被災地でのボランティア活動を継続してまいりました。被災地で出会った方々の言葉一つひとつが、私たち研究の礎となっています。その後、中国、カンボジア、ミャンマーなどの海外にも目を向け、国際ボランティア活動を行って参りました。

ヨハネ生が人類史を俯瞰し、自らの人生と繋げていく過程は、一朝一夕で成るものではありません。しかし、この15年にわたり先輩から後輩へと磨かれて、受け継がれてきたプロジェクトは、私たちがどのような時代にあっても希望を失わず、自らの手で未来を切り拓いていくための大きな指針となっています。

私たちはこれからも、災害の記憶を風化させることなく、平時から自覚的に問い続ける姿勢を貫きます。学びを人生の実践へと昇華させ、誰一人取り残さない未来を目指す。その歩みこそが、私たちの文明に対する誠実な応答であると信じ、「未来への希望」を胸に研究活動を進めてまいります。(ヨハネ生記)

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