
2025年度入学式(2/2)
前回に続き、入学式・入寮式での様子を研究員が毎日綴る学びの記録「今日の学習」からご紹介いたします。
Hallelujah篇
新入生の退場を飾らせていただくこととなったのは、ヘンデル作ハレルヤ・コーラスでした。ヨハネ聖歌隊の誰もが愛し、誇りを持って歌わせていただいている大切な曲です。今回、退場の曲として他にも数曲の候補が挙がっていた中で、歌練習でのハレルヤを聴いた入寮したての新入生たちが「これがいい」と言ってくれ、私達の心に火が灯りました。
ハレルヤは、神様を喜び讃える、未来への希望そのもののような、舞い踊る桜そのもののような、華やかな曲です。ソプラノ、アルト、テノール、バス、全てのパートが代わる代わるメロディを紡ぎ、重なり合い、響き合うことで、一つの曲を織りなします。高らかなソプラノ、明るい響きのあるテノール。それを支え、ときに弾むように追いかけるアルト。それらを包み込む深い響きのあるバスパート。何層も積み重なった地層のように多様な響きが、その場を喜びで包みこんでいくのです。多様な研究員がいるからこそ成り立つヨハネ研究の森の学びの場に似ています。
背筋をしゃんと伸ばし、未来を見つめ、花道を歩いていく新入生への、「おめでとう」の気持ちを込めて、私達は互いに微笑み合い、響き合い、身体を共に震わせながら、ハレルヤを歌わせていただきました。
式典終了後にご臨席くださった保護者の方々や学園の先生方から「最高のハレルヤだった!」「感動してこの学校を選んで良かったと思ったわ!」などと言っていただけて、喜びでいっぱいになりました。入学式という始まりの時を、共に創らせていただけた喜びをさらなる力に、みんなと共に、学びに向かってまいりたいです。
新入生のみなさま、改めて、ご入学・ご入寮おめでとうございます。
お花見篇
入学式の後は、空はすっかり晴れ渡り、絶好のお花見日和となりました。そこで、ヨハネに新しく入ってくれた仲間たちと共に、研究員も主任研究員も総出で、矢那ダム公園へお花見ピクニックに出かけました。お食堂の方々が作ってくださった特製のお弁当を手に、聖マリアブティックでアイスクリームを選び、カバンにたっぷりとお菓子を詰め込んで出発です。
学園の桜は今がまさに満開で、ヨハネ棟を出て正門に向かっていく桜並木の道は、桜の花びらで、薄桃色の絨毯のようでした。矢那ダムも桜の盛りです。桜の木の下にレジャーシートを広げ、皆でお弁当をいただきます。お腹いっぱいになったところで皆で身体を動かし、矢那ダムを満喫しました。
ヨハンナでは、矢那ダムの周りに山菜が生えているということで、山菜採りへと冒険に出かけました。
「この季節にはゼンマイもあるんだって!」
「なかなか見つからないね」
あちこち探していると、たんぽぽやすみれが咲く野原に、つくしがにょきにょきと立っているのを見つけました。うっすらと紅色のつくしん坊。筆の部分が開いてキノコのようになっているものもあれば、まだきゅっと閉じているものもあり、そのかわいらしさに心が和みました。
斜面を上まで登っていくと開けた場所があり、光を受けてきらきら輝く矢那ダムの向こうに、桜に囲まれた私達の学園がよく見えました。そして、白い花びらをした山桜の樹の下で、顔を出したばかりのゼンマイたちが私たちを待っていました。こんな身近で、こんなに沢山山菜があるなんて、と驚きの声が上がりました。美しい湖畔の景色にも心癒やされ、宝探しのような楽しい時間となりました。
矢那ダムの公園には、生き物たちの棲む小川も流れています。先生が、「皆ここに来て、いつも魚を捕まえようとチャレンジしているでしょう?」と、バケツを持ってきてくださいました。
「石の陰にエビがいるよ!」
目利きの研究員が指差す先を覗き込むと、小さなエビがぴょこぴょことヒゲをなびかせているのを発見しました。普段はクールな子も一緒になって、皆で目を皿のようにして生き物を探しました。手練の研究員は、冷たい川の流れに両手を浸すと、ひょいひょいと素早く掬い上げ、網もないのに目にも止まらぬ速さで何匹ものエビを捕まえていました。エビを見つける人もいれば、エビを捕まえる人もいて、自然とチームプレイになっていたのも私達らしいな、と思いました。
皆で桜を見ながら、陽の光も沢山浴び、春を感じることができました。豊かな自然に囲まれた、森の中の学び舎だからこそ見つけられる、たくさんの楽しさを再確認しました。この春はまだまだ桜が綺麗に咲き続けると思うので、これからも研究員のみんなや、主任研究員の先生方と話し合いながら、何度もお花見に行く時間を創りたいと思います。





